<王女メディア>
<解説>
パゾリーニが古代ギリシャ悲劇を「生贄」「呪術」「儀式」「舞踏」などのプリミティブなモチーフにフォークロアな衣装や日本の地唄や筝曲など世界各地の民族音楽を使って鮮烈に描き出す。独自で大胆な世界観と圧巻の映像美は観客を目くるめく映像体験にいざなう。この悲劇を支えるマリア・カラスの彫刻の如き美しさも際立ち、フィルムから溢れる生と死、愛情と憎悪の激情がパゾリーニならではのビジュアル・イメージで紡がれる。
<ストーリー>
奪われた王国を取り戻すために金毛羊皮を追い求め王女メディアのいるコルキス国を目指す勇者イアソン。この地で呪術を操る神秘の王女は、一目でイアソンを見初め、愛する弟を犠牲にして宝物と自らを彼に捧げる。かくして、イアソンはメディアを伴い帰還し彼女と平穏に暮らす。年月が経ちコリントスに暮らすイアソンは王の娘との縁談が寄せられ非情にも家族を捨て新たな王座を得ようとする。かくして魔法を封印した筈のメディアは激情にかられ、恐るべき復讐劇を用意する!
(1969年製作 111分 イタリア/フランス/西ドイツ)
<ドキュメンタリー 王女メディアの島 (Isola di Medea)>
監督:セルジオ・ナイツァ/
出演:マリア・カラス、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ピエロ・トージ、ガブリエラ・ペスクッチ他
同時代の最も物議を醸した挑発的な作家と、世界で最も高く評価されたソプラノ歌手、ピエル・パオロ・パゾリーニとマリア・カラス。彼らが出会うきっかけとなったのが、1969年に撮影された映画「王女メディア」だった。約50年後、不可能な愛の物語が、スタッフと彼らの最も愛する友人たちの記憶と逸話を通して明らかにされる。深遠で繊細、芸術的で人間的な特別な関係を築くことができた、繊細であると同時に壊れやすい魂を持つ2人についてのドキュメンタリー。
『王女メディア』の未公開映像を交えて、二十世紀を代表する二人の天才と感性を讃えた作品。
ティブロン国際映画祭 - フェデリコ・フェリーニ賞受賞
(2017年製作 90分 イタリア作品)
・初回封入特典 20Pブックレット
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